第61章

 鈴鹿星乃は彼に言い返され、顔色が赤くなったり青くなったりと忙しい。

 山瀬美玖はゆったりと茶を一口含んだ。

「渡辺さん、鈴鹿さん。今回はうちの娘も追及しません。でも、それは夏川家が甘いって意味じゃない。次があれば、こんなに簡単には済まないわ」

 渡辺花子は面目を失い、引きつった笑みのまま頷くしかなかった。

「はい、はい……帰ったら星乃をきちんと躾けます。二度と、あんな馬鹿な真似はさせません」

 鈴鹿星乃はその言葉を聞いた途端、頬がかっと熱くなる。恥ずかしさで、今すぐ地面に穴があったら潜りたい。

 鈴鹿柚葉は渡辺花子を一瞥した。中村さんの指にあった鈴鹿家の指輪。あのとき「知らない...

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