第5章

カイン視点

「ノラ――」

 通信が途切れた。

 伝訊石を見つめる。内側の光が、ぷつりと消えた。慌てて魔力を流し込み、再接続を試みる。だが石は冷えきっていて、うんともすんとも言わない。

 彼女が切った。

 いや、切っただけじゃない。伝訊石そのものを壊したんだ。

「くそっ!」

 浴衣を乱暴に引きはがし、服を掴んで身体に通す。

 温泉の縁で、オーロラが裸のまま湯から立ち上がった。濡れた金髪が肩に貼りついている。

「カイン? どこ行くの?」

「用事だ」適当に着込みながら答える。

「でも、今夜は一緒にいてくれるって――」近づいてきた彼女が、背中からぴたりと密着し、両腕で腰を抱いた...

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