第7章

ノラ視点

「――彼は、もうすぐあなたを見つけるわ」

 書斎に、母の声が冷たく反響した。

 私は手にした巻物をきつく握りしめる。指先が白くなるほどに。――一年。忘れたつもりでいたのに。

「ノラ」

 母が目の前まで歩み寄る。

「あなたは、どうしたいの?」

 私は顔を上げた。

「どうしたいも何も、ないでしょ」

「あなたはシャドウムーン家の後継者よ」母は淡々と言う。

「会いたくないなら、手掛かりは全部潰せる。魔女の隠蔽術は、誰にも破れないわ」

 そこで言葉を切り、母の視線が鋭く細くなる。

「それとも――会う? 今のあなたが、どんな顔をしているか。彼にその目で見せてやればいい」...

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