第8章

 あのチャリティーガラでの大勝利から一週間が過ぎたというのに、私の心臓はまだ高鳴っていた。

 九月の日差しが、私のヴィンテージストアの床から天井まである大きな窓から降り注いでいる。新しく届いた商品を整理しながらも、頭の中では理事会の前で智也が私を庇ってくれた、あの瞬間のことばかりを繰り返していた。

 その時、不意にスマホが鳴った。

「陽菜! やったぞ!」

 電話の向こうから聞こえてきた智也の声は、今まで聞いたこともないほど軽やかで、興奮に満ちていた。

 どくん、と心臓が跳ね、手にしていたヴィンテージのハンドバッグを落としそうになる。

「え? 本当?」

「副院長への就任が、たった...

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