第11章 サメに餌をやる

「どうしたの?! 座礁!? それとも海賊?!」

モニカがびしょ濡れの髪のままトイレから飛び出してきた。手にはなぜかトイレブラシ。いざとなったら殴りかかる、そんな顔だ。

「ジジジ――」

頭上の錆びた鉄板スピーカーが、耳を裂くようなノイズを吐いた。

続いて、船内に機械的な女声が響き渡る。

「音声テスト終了。新規入職者は全員、直ちにBフロア第3会議室へ集合してください。繰り返します。新規入職者は全員、直ちにBフロア第3会議室へ集合してください」

阿部奈々は胸を押さえ、やっと息を吐いた。

二人で居室の扉を開け、廊下の壁に描かれた赤い矢印を辿る。

「第3会議室……たぶん、ここだ!」

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