第15章 地獄の幕開け

フル装備の警備員が二人、まるで袋でも運ぶみたいに阿部奈々をBエリアの個別診察室から引きずり出した。

そのまま廊下をずるずると引き回され、第三会議室まで連行される。

そして――遠慮の欠片もなく、いつもの隅の椅子へ叩き戻された。

「ドン!」

警備員の背中で会議室の扉が閉まり、金属の響きが室内に残った。

阿部奈々は掴まれて痛んだ腕をさすり、しぼんだピンクのゴムボールみたいに椅子へ沈み込む。

俯き、視線を右足首へ落とした。

そこに、銀色の金属製アンクレットが増えていた。

白い肌にぴたりと噛み合うように固定され、側面の小さな赤いランプが――胸騒ぎを煽るリズムで、カチ、カチ、と点滅してい...

ログインして続きを読む