第25章 ザタ

昨夜の後半、阿部奈々は自分がどうやって朝まで耐えたのか、まるで覚えていなかった。

あのイカれた男は、彼女に目を閉じることすら許さない。

首がカクンと落ちる。まぶたが合わさる。たったそれだけで、足首の鎖が容赦なく締まり、乱暴な力で床の上をずるずる引きずられた。何度も金属ベッドの脚にぶつかりそうになった。

「お前が起きてるなら、俺も寝ない」

昨夜、確かにそう言った。

阿部奈々は無理やり目を開けたまま天井を見つめ、頭の中でこのマフィアの若旦那のご先祖さままでまとめて罵り倒した。

呪うしかない。500万を手に入れたら、いちばん高い人形を買って、そこに高原文也の名前をびっしり書いて、毎日ぶ...

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