第37章 ここが慈善病院だとでも思っているのか?

ドアの外の警報が、いつの間にか完全に途切れていた。

Fエリア――5号病室は、耳が痛くなるほどの静けさに沈んでいる。壁の時計だけが「チク、タク」と単調に刻み続け、その音が余計に不安を煽った。

モニカは泣き疲れ、壁際の衝撃吸収パッドに身体を丸めたまま眠り込んでいた。頬には拭いきれない涙の筋。黒いマスカラが滲んで、ひどくみっともない。

阿部奈々は、眠れない。

膝を抱え、広いダブルベッドの上に座っていた。――このベッドに座るのは、初めてだ。

昨夜、高原文也は奈々に冷たい床で寝ろと押しつけた。あのときは、心の中で何度も何度も八つ裂きにしてやりたかった。

なのに今、柔らかなシーツの上にいるの...

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