第45章 耐えられない?

高原文也の息が、まだ彼女のうなじに残っていた。

阿部奈々は全身が硬直し、頭の中はぐちゃぐちゃだ。

このイカれた男が次に何をしてくるのか――そう身構えた瞬間、彼はふいに手を放した。

前触れもなく、大きく一歩、後ろへ下がる。

支えを失った阿部奈々は膝が折れ、背中から金属の壁に叩きつけられた。

高原文也が見下ろす。

「ウサギちゃん、なんで震えてんの? この程度の接触も無理?」

阿部奈々の頬が、かっと熱くなる。胸の奥で毒づいた。

このイカれた奴……変態……!

さっきまで人の神経を逆撫でするような支配の宣言を吐いていたくせに、今は面白がって眺めてる。虫唾が走る。

「ほんと、何も知ら...

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