第9章 脱げ!

「行け」

下山凛が氷みたいに短く吐き捨てた。屠殺場へ追い立てるみたいに、阿部奈々とモニカを、あの鋼鉄のモンスターへと押しやる。

阿部奈々は膝が笑っていた。モニカの身体にほとんどしがみつく形で、ようやくタラップを渡る。

両脇の武装警備員は自動小銃を構えたまま、死んだものを見る目で二人をなぞった。

大型の軍用犬が何頭も牙を剥き、喉の奥でゾワリとする低いうなり声を漏らす。

「神様……なに、ここ」モニカが声を絞る。歯がカチカチ鳴っていた。「介護士の仕事? それともどっかの軍閥の人質?」

阿部奈々は答えられない。下唇を噛みしめ、ロップイヤーみたいに無垢で大きい目を伏せた。警備員と視線がぶつ...

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