第14章 いい加減に演じるのはやめられないか?

そのネックレスは、驚くほどシンプルなデザインだった。小さな輪のペンダントがひとつ、ぶら下がっているだけ。

値段は高くない。けれど――それは、栗原舞歌と千崎謙人の縁の始まりだった。

二人が同じ大学で知り合ったのは確かだ。だが、縁が生まれた場所は、大学の外にある。

七年前のある日。千崎謙人は車で友人のもとへ向かっていた。

十字路を通りかかった瞬間、飛び出してきた自転車を避けようとしてハンドルを切り、車は制御を失って歩道脇のガードレールへ突っ込んだ。

衝撃は大きく、謙人はその場で意識を失った。

そのとき、たまたま近くを通りかかっていたのが、バイト帰りの舞歌だった。車体から濃い黒煙がもく...

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