第17章 押しかけて彼女に立ち退きを迫る

千崎謙人は言えば言うほど悔しさが募り、息苦しい車内でほとんど怒鳴りつけるように叫んだ。

「こっちの好意は受け取らねえ、話し合おうとしても拒む。じゃあ教えろよ……俺はどうすりゃいいんだ。どうしたら、たった一回でいいから許してもらえる?」

「足りない」

栗原舞歌は声を強め、ようやく感情の起伏を見せた。

力いっぱい千崎謙人の手を振りほどく。刃みたいに鋭い視線で、ひとつひとつ噛みしめるように言い放った。

「足りない。千崎謙人、あなたが私に負わせたものは……一生かけても返しきれない」

「俺が、何を負わせたってんだ?」

千崎謙人は反射的に言い返す。

「金も渡した。家も用意した。千崎家の奥...

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