第18章 やはり彼女に頼みがある

江藤乃唯の顔から、笑みがふっと消えた。信じられないというように千崎謙人を見上げ、悔しさを滲ませた声で言う。

「謙人、どうしたの?」

「これは舞歌さんが自分からくれたんだ。もう要らないって言ったのに、私が着けちゃいけない理由あるの?」

「だから――外して!」

千崎謙人の語気が強まる。拒む余地のない断定。瞳の奥の怒りが、今にも噴き出しそうだった。

江藤乃唯はその迫力にびくりと肩を震わせ、次の瞬間、涙が堰を切ったようにあふれ出す。

「なんで怒鳴るの? たかが腕輪でしょう。そんなに嫌なら、着けないよ!」

泣きながら、彼女は恐る恐る玉の腕輪を外し、千崎謙人へ差し出した。

江藤乃唯は両手...

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