第19章 唯一無二の愛

「……わかった。あなたと行く」

栗原舞歌は千崎謙人を氷のような目で見据え、念を押す。

「ただし、あなたのためじゃない。おじいさまのためよ」

千崎謙人は胸の奥で、ふっと息をついた。

ともあれ、彼女は「行く」と言った。――それだけで、十分すぎるほどの前進だ。

「……ああ」

彼も小さくうなずき、確かな口調で言う。

「おじいちゃんのためだと思って、俺たち、もう揉めるのはやめよう。あの人は、全部見抜くから」

その夜。三人は再び同じ別荘で過ごしたが、胸の内はそれぞれ違っていた。

とりわけ、江藤乃唯は違う。

ベッドに寝転がっても、むかむかが収まらない。悔しさで奥歯を噛みしめる。

昨夜...

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