第43章 彼女を信じたくない

目の前では、江藤乃唯が容赦なく詰め寄ってくる。

背後では、育ての親が一歩、また一歩と逃げ道を潰してくる。

二人とも、彼女を袋小路に追い込みたかったのだ。

絶望と痛みの中で、逃げ場を失って、息もできなくなるまで――。

……なのに、どうして?

彼女は何も悪くない。

なのに、どうしてこんな目に遭わなきゃいけないんだ。

「言ったでしょ、放して!」

栗原舞歌は声を張り上げ、反手で思いきり振りほどこうとした。

その瞬間、養母と養父が同時に飛びかかってくる。左右から腕を掴まれ、指が食い込んだ。

追い詰められた人間は、ときに信じられない力を出す。

舞歌は歯を食いしばり、涙が溢れてくるの...

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