第46章 いかにして新生を得る?

子どものころの虐待。結婚してからの、息の詰まるような冷たい仕打ち。不信ばかり向けてくる夫――。

まるで、この世の痛みという痛みが、すべて自分に降りかかってくるみたいだった。

今の栗原舞歌は、沈みゆく身体で、必死に掴むための流木を求めていた。このまま溺れてしまうのが怖くて、たまらなくて……。

ふいに、夜風に揺れる月明かりの下で交わした、あの艶めいた口づけが脳裏をよぎる。

舞歌は顔を上げ、涙で滲む視界の向こうに流川瑛介を捉えた。彼に近づき――そして、衝動のまま唇を重ねる。

恋人同士の甘い情事など、舞歌は知らない。キスはぎこちなく、身体は勝手に震えて、恐る恐る探ることしかできなかった。

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