第47章 傷口を剥がす

栗原舞歌はそう言って二人を指さした。たちまち視線が集まり、会場はざわめきながらも、好奇と警戒の入り混じった沈黙に沈む。

――痛みを、こんなふうに口にできる日が来たなら。

その瞬間、舞歌はやっと、手放すことを覚えられるのかもしれない。

心の奥に押し込めたまま、吐き出す場所もなく。

ただ噛みしめて、吐いて、また飲み込んで――そんなことを、何度も繰り返してきた。

「私には、実の両親がいません」

栗原舞歌は口元だけ笑った。けれど声は、かすかに詰まっていた。

「この人たちは私を引き取った。でもそれは、優しさでも同情でもない。国から毎月出る孤児手当が目当てだったんです」

「物心ついた頃か...

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