第50章 彼女が見つからない

三日後――。

栗原舞歌と千崎謙人が離婚するらしい、という噂がA市じゅうに広がった。

繁華街でも住宅街でも、誰もがその騒動を面白おかしく語り合っている。

なのに当の二人は、まるで煙のように姿を消し、いっさい音沙汰がなかった。

だが、千崎グループの内部ではとっくに火の手が上がっていた。

株価は連日のように暴落。長い時間をかけて詰めてきた重要案件も白紙寸前。役員たちは青くなって走り回っているのに、肝心の千崎謙人と連絡がつかない。

結局、矛先は木村に向けられた。

千崎謙人へ何十回、何百回と電話をかけても繋がらない。

木村は腹を括り、直々に別荘へ向かった。

門の前に立ち、ノックしよう...

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