第56章 遅れてきた愛

「知ってたところで、どうだっていう。知らなかったところで、何が変わる?」

千崎達郎は彼を睨みつけた。声には失望が滲んでいる。

「お前はあの子のことなんか、最初からどうでもよかっただろう。今さら探して何になる。手遅れの執着なんて、路傍の石ころより価値がない」

「千崎謙人。お前、今まで何をしてた」

「遅くなんかない!」

千崎謙人は食い気味に言い返した。喉の奥から、苦いものがこみ上げる。

「俺は……あいつがあんなに苦しんでたなんて、知らなかった。知ってたら、絶対にあんな扱いはしなかった!」

「じいさん……居場所だけでいい。頼む、教えてくれ」

——栗原舞歌の足取りを、ここまできれいに...

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