第57章 彼女は酔っ払った

流川瑛介はそれ以上彼を相手にせず、栗原舞歌へ視線を移した。涼やかな眼差し、冷たい眉。

二時間後、車は研究室へ到着した。

扉が開いた瞬間、栗原舞歌は中の光景を目にして――息を呑んだ。

想像していた以上に環境がいい。広くて明るい室内に、最先端の機器が整然と並んでいる。中には、国内では名前だけ聞いたことがある程度で、実物を見るのは初めてというものまであった。

この研究室を一式そろえるだけで、少なく見積もっても十億は下らない。

……桁が違う。

彼女は思わず歩み寄り、指先でそっと機器の冷たい表面に触れた。瞳の奥が熱くなる。

これから自分は、こんな高度で上質な研究室で働くの……?

気づけ...

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