第60章 徹底的に面目を潰す

この一件で懲りて、林田恵理も少しは冷静になるだろう――栗原舞歌はそう思っていた。

説明しようと口を開きかけた、その瞬間。

林田恵理が、床から勢いよく跳ね起きた。

試薬が爆ぜたあとに残る焦げた匂いと薄い煙は、まだ完全には引いていない。髪は乱れ、白衣には黒い煤汚れ。そんな彼女が、まるで呪うような目で舞歌を睨みつけた。

「分かった……あんたでしょ? 絶対あんただ! 私が見てない隙に、試薬に余計なもの混ぜた! わざと爆発させて、私を殺そうとしたんだ!」

舞歌は言葉を失った。

世の中には、千崎謙人と同じくらい話が通じない人間がいるのか――と、逆に感心してしまうほどだ。

注意もした。爆発す...

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