第10章 小泉星菜、お前は本当に下品だ!

「……何それ」

「迎えに来たんじゃ、ないの……?」

小泉星菜のその言葉に、松原聖矢の顔から血の気がさっと引いた。だが次の瞬間には、強がるみたいに顎を上げ、わざと平気そうな顔を作る。

「ママ、今のママが言ったんだよ。これからは菜々子さんが僕のママだもん」

「うん」

星菜は今村拓弥をぎゅっと抱き直し、聖矢から視線を外すと、そのまま振り返りもせず歩き出した。

「ひどいママ! 大っ嫌い!」

本当に置いていかれたと理解したのか、聖矢は地団駄を踏み、真っ赤な目で叫んだ。だがその声は、星菜の背中には届かない。

……

バス停の近くで、星菜は拓弥を下ろし、頬をつまんだ。

「拓弥、ごめんね。...

ログインして続きを読む