第12章 ライブ配信開始、松原真哉の面目を潰す

「……えっ」

下村岳斗は、まさか自社の社長がたった一人の女のことで、ここまで露骨に怒りを滲ませるとは思っていなかったのだろう。受話器の向こうでしばらく息を呑む気配が続き、やがて、ひどく小さな声が返ってきた。

「承知しました、社長。ご意向、理解いたしました」

「……ああ」

今村真崎は満足げに鼻を鳴らし、通話を切る。スマホを収めると、視線を再び小西麻里の家の窓へ戻した。

(もう少し待て、今村真崎。まだ、近すぎない。今は――まだだ)

ハンドルに片手を置いたまま、胸の内で何度も言い聞かせる。

(もっと距離が縮まってからだ。そうすれば、堂々と手を出せる。星菜を傷つける連中に、きっちり落と...

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