第125章 彼は彼女を脅している

「悪いママ、嫌い!」

小泉星菜は頬を打たれた勢いのまま顔を向け、目を血走らせた松原聖矢と目が合った。

聖矢は拳を握りしめ、顔いっぱいに嫌悪と憎しみを貼りつけている。

「僕と今村拓弥が同時に危ない目に遭ったのに、ママは拓弥だけ助けて、僕は助けなかった! ほんと悪い女だ。殺してやる」

――悪い女?

星菜は叩かれた頬に指を当て、はぁ、と息を落とした。

「松原聖矢。少し前、私が拓弥を遊園地に連れて行ったとき、あなたのパパと、白石菜々子に会ったの、覚えてる?」

「そのとき菜々子は私を陥れて、あなたは迷いなく菜々子の嘘を信じた」

「それだけじゃない。彼女の“仕返し”だって言って、あなたは...

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