第131章 松原真哉、離婚しましょう

「……ママ?」

扉を開けて入ってきた人影を見た瞬間、松原聖矢はさっきまで口にしようとしていた言葉を、全部どこかへ放り投げた。

驚きと喜びを隠さない目で小泉星菜を見上げ、胸の奥に、ふたたび根拠のない自信が戻ってくる。

――やっぱり。ママは僕が一番なんだ。どんなに悪いことをしても、最後には許してくれる。

「ママ、僕がここにいるって分かってたの? あ、分かった。わざわざ謝りに来たんだよね?」

恐怖も不安も消えた途端、聖矢の口調はまた偉そうなものに戻った。腕を組み、顎をしゃくり上げ、鼻先で星菜を見下ろす。

「僕と今村拓弥が同時に水に落ちたのに、ママは拓弥を先に助けて、僕を助けなかった。あ...

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