第17章 あなたはパパの恋人ですか?

「愛人なんて、当然みんな悪い人に決まってる!」

渡辺富美子は、松原聖矢の顔色が少しおかしいことに気づかなかった。奥歯をぎり、と噛みしめ、怨みを滲ませた表情になる。

「うちのパパの愛人ね、いつもいろんな理由つけて、パパと私をママのそばから連れていくの。ママの誕生日ですら、私とパパを自分のところに呼びつけるんだよ」

「それに、ママのことを陥れるのが大好きでさ。ママが触ってもいないのに、わざと転んで『叩かれた』って言うの」

「私、前はバカだった……毎回その嘘を信じて、ママのこと一緒になって責めてた」

わざと転ぶ――。

松原聖矢の体が、びくりと震えた。反射的に渡辺富美子の手をつかむ。

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