第26章 小泉星菜は分別がない?

「星菜、大丈夫か」

次の瞬間、低く落ち着いた声が小泉星菜の頭上から降ってきた。

「今村さん……?」

星菜がはっと顔を上げると、さっき彼女を助けたのは今村真崎だった。

「……ありがとうございます」

星菜は慌てて身を起こし、背筋を伸ばす。胸の奥が、酸っぱくて、重い。

可笑しい。傷ついても、法的な伴侶は眉ひとつ動かさない。

なのに、知り合って間もない友人のほうが、彼女を大事に扱ってくれる。

「足、痛むか?」

今村真崎は星菜の異変に気づかないまま、ほっとしたように優しく笑った。

「本当は今日、麻里が迎えに来る予定だったんだけど、急に仕事が入ってさ。電話が来て、俺が退院手続きの手伝...

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