第28章 君は金に執着しないと思っていたのに

「――もう帰ってくれ。この記者会見は中止だ」

期待に満ちた視線を真正面から浴びながら、松原真哉は感情の起伏すら見せずに言い放った。

その一言に、場が凍りつく。

「中止? 松原社長、なぜです! まさか小泉星菜さんが、白石さんに不利な証拠を本当に握っているから、見せたくないとか?」

「違うよ。社長が退席させるのは、小泉星菜を処罰するつもりだからだろ。でも今はまだ奥さんだし、みっともないところを見せたくないんだ」

「松原社長、優しすぎますよ。小泉星菜が悪いんです。罰を受けるべきだ」

「松原社長、こっちはわざわざ来たんです。説明もなしに帰れじゃ、上に報告できません!」

一瞬の沈黙。

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