第29章 彼女は本当に離婚したいと思っている

「松原真哉、あんた頭おかしいんじゃないの?」

小泉星菜は目を見開き、まるで狂人でも見るみたいな目で松原真哉を睨みつけた。

「お金が好きで何が悪いの。じゃあ何を愛せって? あんた? 私が?」

「白石菜々子のために、私が被害者だって分かってるくせに、潔白を証明することすら許さなかった」

「七年よ。七年も嫁いで、あんたは一度だってまともに私を見なかった」

「私が助けを必要としてるとき、あんたはいつもいなかった」

「それに――私が出ていくって決めたとき、手元にはほとんどお金がなかった。友だちの家に転がり込むしかなかった」

「ちゃんと考えてみて」

「こんな男、愛する価値ある?」

価値...

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