第34章 彼は小泉星菜と離婚しない

「……本当に、ないの?」

松原尚美は下唇を噛み、まだ疑っている様子で言った。

「だって、小泉星菜が本当にお兄ちゃんと離婚したくないなら、あんな態度で私たちに接するはずないでしょ?」

「脅かしてるだけよ」

松原法子は手をぱん、と叩き、あっさり自分の中で結論を出す。

「この前まで真哉が白石菜々子にしょっちゅう贈り物してたでしょう。あんたも私も止めなかった。その分、星菜は私たちに腹を立ててるの」

「でも、星菜がああなるのも無理ないわ」

そこまで言うと、松原法子の顔が曇り、鼻で笑った。

「最近の真哉のやり方は、あまりに酷い。白石菜々子がもうすぐ死ぬからって、星菜を何度も陥れるのを黙認...

ログインして続きを読む