第86章 松原聖矢、選べ

松原聖矢は彼女に相談もせず、白石菜々子と組んで出し物に出ると決めた――?

今村拓弥のその言葉を聞いた瞬間、小泉星菜の瞳が氷みたいに冷えた。

「松原さん、聞こえましたよね? あなたの息子さんは、私を母親として認めたくない。そこまでされて、私が拓弥くんと親子レースに出るのもダメなんですか? ……ずいぶん身勝手ですね」

「松原さん。申込書に書かれているのは、確かに聖矢くんと白石さんのお名前です」

田村玲子が軽く咳払いし、慌てて申込書を探し出すと、聖矢の手元の机にそっと置いた。

つまり――小泉星菜を、今村拓弥へ押しやったのは。松原聖矢自身、ということになる。

松原真哉は眉間にしわを寄せ、...

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