第97章 ママ、これはどんな態度なの

小泉星菜は、松原真哉の感情の揺れをすべて見逃さずにいた。

彼の眉間に刻まれた深い皺に視線が触れた瞬間、彼女は無意識に唇をきゅっと結ぶ。

「松原さん。もう決めましたか。離婚協議書にこのままサインするか、それとも裁判にして、法律に財産分与を決めてもらうか」

「裁判……?」

松原真哉は大きく息を吸い、ゆっくり顔を上げると、視線を彼女の顔へ戻した。

「小泉星菜。俺が家庭を顧みなかった証拠を握ってるからって、勝てると思ってるのか」

低く笑い、言い切る。

「教えてやる。一般人は、一生かかっても俺みたいな金持ちには勝てない」

――そう。彼女は彼ほど金を持っていない。権力だってない。

だか...

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