第98章 賭けをしよう

案の定だ。松原聖矢が小泉星菜と今村拓弥が一緒にいるのを嫌がるのは、「母親として好きだから」なんかじゃない。

ただ独占欲が強すぎるだけ――自分のものに、今村拓弥が触れるのを許せないのだ。

たとえそれが、自分はいらないと突き返したものでも。

……むしろ、心底嫌っているくせに。

星菜は、聖矢の小さな仕草に気づいていた。

いったん目を閉じ、もう一度彼を見たとき、その瞳には露骨な嘲りが浮かんでいた。

「松原聖矢、どいて。これ以上しつこいなら、学校の放送室に行って、私があなたの母親だって――全校放送で言うから」

「お、お前……」

聖矢の肩がびくりと震え、こらえきれないように目元が赤く染ま...

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