第11章 二人全部彼女の息子

「さもないと――」

伊代妃奈は唇の端を、毒を塗ったみたいに吊り上げた。「待ってなさい。あんたの報いが、いつ来るか……ね」

言い捨てると、彼女は踵を返し、きっぱりと去っていった。

「キチガイ! あれはキチガイよ!」庄司奥さんは我に返るなり、枕を掴んで床へ叩きつけた。「景悠! 早く探しなさい! 早く沢弥を連れて帰って! 孫に何かあったら……私だって生きていけない!」

「母さん」庄司景悠の声は、ひどく掠れていた。「今から、どこにも行かないで。この部屋にいて」

「沢弥を探しに――!」

「俺が行く」庄司景悠は遮った。「だが見つかるまで、あんたは祈っておけ。伊代妃奈の息子も、無事でいるように...

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