第16章 伊代先生は私の息子を研究するのが好き?

……。

市中心病院・特別病室。

伊代妃奈がベッドに身を預けていると、病室のドアが押し開けられた。そこに立っていたのは、庄司景悠――長身の男の影。

「庄司さん」

妃奈は丁寧に挨拶を返しながらも、胸の奥では計算が高速で回り始めていた。何のために来たのか。何を言わせたいのか。

庄司景悠の視線が、妃奈の顔面をなぞる。呼びかけには答えず、いきなり本題を落とした。

「俺の息子が、お前に会いたがってる」

妃奈の指先が、シーツをぎゅっと掴む。

――息子?

沢弥。

喉の奥から込み上げるような喜びが、胸を突き破りそうだった。抑えきれない。顔の筋肉が勝手に緩みそうになる。

もう一人の子が。あ...

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