第18章 パパにママと婚約させる

庄司景悠の眼が、すっと翳った。

午後、書斎で見た光景が蘇る。

伊代妃奈はアルバムの一枚を指さし、感情を昂らせたまま目尻を赤くしていた。

「わからないんですか。あなたの息子、この写真の中でどれだけ不機嫌そうにしてるか!」

「親しくもない相手に預けて、子どもの気持ちを聞いたんですか? 父親として無責任すぎます!」

その瞬間の彼女の怒りと痛みは、実の父である自分よりも、よほど本物で、よほど激しかった。

この女が現れて、どれほど経った。

いとも簡単に息子の信頼を総取りし、挙げ句の果てに『この人をママにしたい』などという発想まで抱かせた。

しかも面と向かって、父親失格だと断じてくる。

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