第24章 彼女は感情を弄ぶのがとても手慣れている

自分が用事で戻らなかったら、あの二人はもう――やってたってこと……!?

伊代妃奈に残されたわずかな理性は、言い訳をしようと彼女の唇を動かしかけた。けれど、体の奥から湧き上がる、見知らぬ熱のうねりがそれを許さない。

本能が、すぐ隣にある氷みたいに冷たい「熱源」へと、勝手に身を寄せさせた。

「出ていけ!」

庄司景悠は露骨に嫌悪をにじませ、押しのけようとする。

だが女の体は、信じられないほど柔らかい。

それに、どこか覚えのある――神経の尖りをふっとほどいてしまうような、かすかな香りが混じっていた。

何日も続いた不眠。そこへ怒りが重なる。

脳内で張りつめていた糸が、ぷつりと切れた。

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