第37章 新谷家を破産させてやる

「行くぞ」林田白弥は深く考えもせず言った。

車内では、伊代雲光が後部座席でずっと黙っている。林田白弥はバックミラー越しに何度も様子をうかがい、ついに口を開いた。

「さっきからなんで喋んねえんだ? 新谷の家、居心地悪かったか?」

伊代雲光は首を横に振る。

「じいちゃんばあちゃんと喧嘩でもしたか?」

伊代雲光はまた首を横に振った。

林田白弥は眉を上げる。今日はやけに妙だ。

「……まあいい」それ以上は追及しなかった。

車は庄司邸へ滑り込む。

リビングは明るく灯っていて、伊代雲光は一目で見つけた。車椅子に座り、使用人が運んできた参湯を口にしている庄司大奥さん。

顔色は見違えるほど...

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