第41章 お前は俺のもの

母子でいくつか言葉を交わしたあと、伊代妃奈は林田おじさんに伊代雲光を託し、家へ戻って勉強するよう促した。見送り際、彼女は手を伸ばし、雲光の頬をきゅっとつまむ。

その親しげな仕草ひとつで、入れ替わりのせいで胸の奥に残っていた緊張が、すうっとほどけた。

「ママ。いつ帰ってくるの? ぼく、家に帰れるの週に2日だけなのに……それでもママに会えないんだ」

伊代妃奈の胸が、きゅっと酸っぱくなる。

――そうだ。自分はここで療養している。子どもは、どうなる。

「ママ、すぐ良くなるから」

伊代雲光を送り出してしばらくすると、白いカジュアルスーツを着た男が病室に入ってきた。手には、洒落た保温容器。

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