第51章 俺と結婚してくれないか?

伊代妃奈は反射的に庄司沢弥を背に庇い、きっぱりと言い切った。

「行かない」

「お前に拒否権はない」

庄司景悠はこれ以上口論する気もないらしく、乱暴に彼女の手首を掴むと、そのまま外へ引きずった。

「庄司景悠、放して!」

伊代妃奈が必死に抗う。

止めに入ろうとした立花郎生は、庄司景悠が連れてきた屈強な護衛二人に行く手を塞がれた。

「従兄さん、先に連れて行って!」

伊代妃奈が立花郎生へ叫ぶ。

庄司景悠の足が一瞬止まる。振り返り、助手に淡々と言った。

「その子を……山頂の別荘へ」

それだけ告げると、伊代妃奈に抵抗の隙すら与えず、半ば抱え込むようにして自分のベントレーの助手席へ押...

ログインして続きを読む