第8章 そんなばあちゃんいらない

伊代妃奈は首を傾げた。

「……どうして謝るの。変な子ね」

けれど庄司沢弥は答えない。

そのまま彼女の胸へ突っ込むように抱きつき、全身の力でぎゅうっとしがみついた。

「ごめん……ママ、ごめん……」

ごめん。あんなに苦しませてしまったこと。

ごめん。ぼくは知らなかった。

ごめん。ぼくは庄司の姓を名乗っていること。

伊代妃奈は、突然あふれ出した感情に面食らった。昼間の自分の言い方が、子どもを怖がらせてしまったのだと勘違いする。

彼女は背中を、ゆっくり、一定のリズムで撫で続けた。

「もう大丈夫。泣かなくていい。ママがいる。今夜はママと一緒に寝よう? いい?」

庄司沢弥は、力いっ...

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