第11章 彼らは何かあったのだろうか

午後、池川里緒が病院に着いたころ、池川の父はちょうど検査を終え、看護師に押されて病室へ戻ってきたところだった。

娘の姿を見つけると、父の目がぱっと明るくなる。にこりと笑って、手招きした。

「里緒が来たか。ほら、こっちに座れ」

「お父さん」

里緒は持ってきた果物を脇に置き、ベッドのそばへ寄って父の手を握る。

「今日の具合、どう?」

「だいぶマシだ」

声にはまだ力がない。けれど顔色も、昨日よりずっといい。

「先生も、あと何日か様子を見て問題なければ退院できるってさ」

「よかった」

里緒はベッドに腰を下ろし、父の掛け布団の端をそっと整えた。

そこへ松井美海が外から入ってくる。...

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