第12章 こういうの、楽しい?

病院を出ると、池川里緒はその足でショッピングモールへ向かった。

今夜は中浦優斗と食事の約束がある。入社の話を詰めるためだ。

職場復帰するなら、それなりにきちんとしておきたい。そう思って、里緒はいくつか服を買い足した。

矢川七海の家に戻ると、ベージュのニットに、シルクのワンピースを重ねる。メイクは薄く、髪はまとめてすっきりと。ヒールはもう慣れない。まずは同系色のミドルヒールのパンプスで、ゆっくり感覚を戻すことにした。

出かける直前、ちょうど仕事から帰ってきた七海と鉢合わせる。

七海は一瞬きょとんとして――次の瞬間、ぱっと目を輝かせた。

「わわわ! ちょっと見せて!」

七海は興奮し...

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