第14章 なぜ好きなのか知っている?

池川里緒の指先が、ぴくりと止まった。

しばらくしてから、ようやく小さく「うん」とだけ返す。

「そんなこと、あいつにできるわけないでしょ!」

矢川七海は勢いよく上体を起こした。

「もし本当に重久瑛介が池川グループに手を出すつもりなら、人として終わってる。昔、池川家がどれだけあいつを支えたと思ってるの? 今の重久グループがあるのは誰のおかげ? 里緒、あんたのおかげでしょ。池川家のおかげでしょ」

池川里緒は淡々と答えた。

「でも、今はもう……いろんなことを決めるのは彼だから」

そして、少し目を伏せる。

「彼の言い分にも、一理はある。今の池川グループの案件って、実際かなりの部分が彼の...

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