第15章 高いところにいすぎた

「でも、あなたはへこたれなかった。一人ひとりに声をかけて、媚びもせず、驕りもせず。だめなら次。また断られても、笑ってお礼を言って、すぐ別の相手のところへ向かっていった」

「覚えてる。ある商談相手が、大勢の前であなたをあざ笑ったことがあったわね。無名の若造が自分に提携の話を持ってくるなんて身の程知らずだって。あのとき、あなたの顔は真っ赤だった。でもあなたはその人に言ったの。屈辱を受けるのは構わない。でも、どれだけ悔しくても絶対に諦めない。会社に責任があるし、自分についてきてくれている社員たちの未来にも責任があるからって」

「そのとき、私はあなたに惹かれたの」

池川里緒の目に、ふいにうっす...

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