第17章 すぐに来て謝れ

重久瑛介からの着信だった。

池川里緒は視線を落としたまま、笑みをわずかに薄めると、スマホを裏返してテーブルに伏せた。

「誰から?」

「……別に」

池川里緒は、そのまま話を流そうとする。

だが、また着信音が鳴った。

池川里緒は即座に切った。けれど相手は意地でも繋ぐつもりらしく、間を置かず、また鳴る。

ついに矢川七海が堪えきれず、首を伸ばしてチラリと画面を覗き、顔を曇らせた。

「またあいつ? 何の用よ」

池川里緒は小さく息を吐く。

分かっている。重久瑛介が何のために電話してきたのか。

前谷明梨が今日ここで恥をかいた。あの女が帰ってから何を吹き込むか――想像するまでもない。

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