第20章 公にして縁を切る

「私はまだ、でたらめを口にするほどもうろくしちゃいないわ!」

重久の母が大きく手を振った。

「池川家はうちに恩がある。その恩を忘れるなら、あんたが忘れなさい。私は忘れない。恩知らずな真似をするのを、この母親が止められないって言うなら――代わりに私が返す。あんたが引く分は、私が埋める。あんたが出す分は、私も出す。……私の金が熱くて握れないってんなら、試してみなさいよ」

重久瑛介の顔色は、限界まで悪くなっていた。

「母さん、それは筋が通ってない」

「筋? 前谷明梨といちゃついてたとき、筋を通した? あの子をかばって里緒を突き飛ばしたとき、筋を通した? 池川家に手を出そうとしたとき、筋を...

ログインして続きを読む