第22章 どんな悩み事でも話していい

池川里緒は重久瑛介の返事を聞いた瞬間、きょとんと目を丸くした。けれど次の瞬間には、もう堪えきれず、ふっと吹き出してしまう。

笑い終えたあと、重久瑛介の顔はますます赤くなっていたのを覚えている。

彼は反射的に手を上げ、後頭部をぽりぽりと掻いた。

「……聞こえてたよな? お、俺……その、自分をちょっと奮い立たせてただけで」

しどろもどろの言い訳。視線はあちこちへ泳ぎ、どうしても彼女の目を見ようとしない。

池川里緒は、たぶんこの男があまりにもおかしくてたまらなかったのだろう。くすりと笑いながら歩み寄り、彼の隣に立って、バルコニーの手すりにそっと並んだ。

「どちらの会社の方なんですか?」...

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