第34章 池川里緒を守っている

重久瑛介は黙り込んだ。

高山さんはソファの脇で直立し、息をするのも怖いくらいで、ここ二年の仕事を頭の中で必死に巻き戻していた。――どこかで、何か、やらかしただろうか。

しばらくして、重久瑛介は牛乳の入ったグラスを持ち上げ、ひと口だけ飲む。

「……なるほどな」

ぽつりと呟く。

高山さんはきょとんとした。

「若様、今、何と……?」

重久瑛介は首を横に振るだけで、何も言わずに立ち上がり、階段へ向かった。

数歩進んだところで、ふいに足を止める。

「高山さん」

「はい、若様」

「親戚でも知り合いでもいい。家事が得意で、子どもの面倒も見られる人はいないか」

重久瑛介は横顔だけを向...

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