第39章 酔っているよ

前谷明梨は、相当な力を使ってようやく重久瑛介をホテルの客室まで支え込み、ベッドへと運び込んだ。

瑛介は仰向けのまま、どさりと重く倒れ込む。眉間に皺を寄せ、苛立ったようにネクタイを乱暴に引っ張ったかと思うと、ふっと糸が切れたみたいに動かなくなった。

「瑛介兄さん?」

ベッド脇に立った明梨が、そっと呼ぶ。

返事はない。

もう一度呼び、肩を軽く揺すってみると、瑛介の眉間の皺がいっそう深くなり、唇がもごもごと何かを呟いた。次の瞬間、寝返りを打って顔を枕に埋める。

……寝た。

それを確認した明梨は、胸の奥の高鳴りを必死に押し殺しながら、瑛介の上着を脱がせた。そして、そのまま彼のシャツへ手...

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